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2025/04/21  [PR]
 

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長めにしたらぐだぐだで見るのも嫌になったんでとりあえず投下する例。
ちょいとえろす注意ですぞ~。




















彼は自らの弟への愛情を信じている。
盲信は彼の適応力を削いできた。知っていて、ぼくは彼を生きたまま奪いたくてあの過信を取り去るために彼を傷つけてきたから彼はいつでもぼくを警戒するようになった。きみをあいしているから傷つけもする、そんな言い訳が、ひとつも疑いを抱かず弟を求めているきみに届くわけなかったね。
「弟を魔王にして、」
懸念のない晴れやかな眼で彼は語ったけどぼくは何十年振りに湧き上がる衝動を抑えることができなかった。
「どうしてまだそんな夢を見ているの。きみに未来はないんだよ、もっと生きたいと言ってよだれもきみをとがめないよ」
きみが怯んだその一瞬でぼくは壊されてしまいそうだった。きみを傷つけることは正しくぼく自身を傷つけることになるのだと思い知って絶望してその場から逃げても次の日にはもうきみの扉の前で反省の言葉を並べ立て鍵が開くや互いに心にもない謝罪を口にしては泣いていた。


あのときもそのずっと前のいつかも思いつきで傷つけているのではないのだけど、つぐないと言い訳をし続けている。
循環しない行き詰まりの果てでぼくはきみに手癖で爪痕をつけるけどきみが顔色を変えると心を痛めながら舐めて治してはその白い肌にまた爪を立てたがっている。たぶんケロイドになりさえしないけどそういう存在であることを選んだのはぼくだ。
ぼくはきみのそばにいたいだけできみが望まないなら知りたいとも癒したいとも思わない。
「俺は、弟を、愛しているから」
いま再びその自信を打ち崩したい気持ちに身を委せてぼくは口を開く。
「きみがあの子を愛することは復讐の手段なの?そういうのって、本当は全然意味ないじゃない」
ソファに押し付けられたときは何があったのかわからなかった。
それでも血管の透ける眼が冷え切っていたからこの子は怒っているのだなと思った。けど口が滑ったのだとしても間違えたつもりはないから口は閉ざしたままにしようとした。
だけど等閑に衣服を剥がれ股をこすりつけられると本当に怖くなって、それから何度もごめんなさいと喚いた。
許して欲しいとはとても言えなかった。
やがて動きを止めた衿口に縋りつくと彼は優しく黒髪を梳き始めたが、ぼくは喉に詰まった気持ちを、最早抑圧することすらつらい気持ちを、やめないでほしいと口走ることで吐き出した。
緩慢な程にゆっくりと彼はぼくをほどいていった。抱き合ってキスをした。舌が柔らかくてもう物を思う気持ちがどこかへいってしまいそうだった。
彼は自分で服を脱いだ。脚が触れると現実が降ってきたけどもう怖くなかった。彼が肌を合わせるとそこが溶けて混ざってもう離れないのではないのかと思われた。
ぼくはどうしようもなく彼の肩に腕を回していただけだった。一度こうしてみたかった。きみの意思で、ぼくを好きにして欲しかった。きみはぼくの真ん中のあたりで幾度となく手をくねらせていて、でもそれじゃせつなくて腰を震わせると後ろから伸びた指がその周りを引っ掻いたのが切欠で乱れてしまった。まだ気恥ずかしい様子がかわいいと言われるといよいよ彼がいとしかった。
もがけばもっと深く沈め込まれる。たぶん彼の指が体の深くをほどきつつ口を擦り合わせるとき以上しあわせはなくて、同時にこの人はいつか死ぬんだというナイフのような真実が胸を掠める。それもあの中指によって瞬く間に消されたけど。
余計なことを考える意識は彼が遠くまで運んで行く。神経は奪わないで。背骨と肋骨の感触をもっとよく知りたい。
細長い指はぼくを掻き乱すばかり。繊細な動きでぼくをおかしくしないで。些細な素振りでぼくを猥らにしないで。一寸贅沢を言わせて。知ってる分かってるもう行き詰まっているだからこうして酔っている。
昴りの最中に彼はただ一度だけ歯を突き立てた。そのまま頸動脈を噛み切って赤くなったぼくの血を見てよと言いたかったけどその時急に意識を引き上げられてもうぼくのものとは思えないくらい高い悲鳴にしかならなかった。
ぼくが彼を傷つけたことに変わりはない。彼はそれでもぼくを許したのだ。
ぼくはただ壊れそうなきみを愛でていたのであって、けして壊してしまいたいとは思っちゃいないって、言わないとわからないのかもしれない。
でも、それならそのままでいい。
ぼくは言い訳しないよ。
きみにつたわらないぼくの気持ちを伝えたところで傷を受けるのは最後きみだから。ぼくの傷つくきもちはただの妄想だよぼくは平気できみを慰めるからやめて悲しい目をしないで。
ぼくなど人間の体をしていても彼と同じ心地になれはしない。涙さえ滲むけど自分でも何が悲しいのかそれとも嬉しいのかそれすらわからない。
本当はちっとも傷ついてない泣くことない明日から笑っておどけてあげなくちゃ。
だからきみも笑ってそばにいることを許しておねがいだから問いたださないでそばにいたいの。きみの意志を二の次にしてその存在だけの隣にいたいのに。
肌の切れ目で溜め息を吐いた、「でも本当にキミを復讐の念や使命感などに奪われたくないの。だからそれが下らなく見えるの。ボクにとって大切なのはキミの復讐じゃくて、キミだから」。
きみは青ざめて眼のみ赤く燃え立つ。きみがぼくの首を絞めてきたみたいに、ぼくもきみを苛みたいよ。ぼくは笑ったらきみは泣きそうに唇を歪めた。何度だってキスをしてあげる。
またすぐぼくの知らないところで笑うんでしょう。
きみを咎めたぼくが正しいって思い知るときが来るから。思い直すことはないだろうけど。
きみがあの子を愛することは嫌じゃない。それできみが癒えない傷を負うのが嫌なのだ。愛に疑いを向けないかわり、他のものを疑いの眼で見るのが不服なのだ。ぼくのきもちだって、きみの中に正しく留まるかといったら、危うい。
ぼくしか見ないでいいのにさあ。
どうしようもない指先だけが未だ熱の真ん中でのた打ち回っていた。



薬指の行方







納得いかない箇所が数多。




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