長い時間を止めた一瞬に、なにかが死んだ気がした。
たった一人いなくなっただけなのに部屋が広い。
この世でここだけ真っ白になってしまった。
ぽっかりと空いた空白に立ち尽くす俺を空寒く包んでいる、幸せのあった部屋。
「………あ、」
よかった。声の出し方は忘れていない。
「…いおり、ちゃん。まいおり、……舞織…っ」
覚えてる。覚えてしまっている。
忘れたら、忘れてしまったら、ひどく辛いはずなのに、忘れたい。
こんなはずなかった。
もっとうまくやれたのに。
もっと近づけたはずなのに。
「…待てよ、結局こうなったなら、これが正しい結末なのか?」
ああ、そうか。
………………、
………いや、ちがう。
「俺らしくない…こう、昔、ギラギラしてたころはさあ、こう、もっと…うん」
一人で納得すると俺はいつものようにニヒルな笑みを浮かべて、言うんだ。
「傑作だ」
幸せなら次会う時までこの俺が預かっといてやるよ。
そして扉は閉められた
部屋に誰も残さず。
人識しかいねえ。
さらりと三十分とかからず書いた。そんな0/。
こんなかんじでひとしきはまいおりんをおっかければいい。
PR