今此処に三次元以外存在しない。
薄く開いた窓から光を投げ掛ける月も、天外に煌めく星々も、二人を外界から切り離す天蓋も、軋む寝台も、
この両眼を緊縛する瞳も、背中に回された腕も、早鐘のような鼓動も、触れ合う肌の異常なまでの熱も、肺から奪われる酸素も、舌が欲する快楽も、
その認識理由として十二分に足る。
全部が全部本物だと、全部が全部僕に語る。
虚構みたいに僕を責める。
虚構のように本物だ。虚構のように、真実だ。
「大好きだよ」
耳元で囁く嘘も本物なのに、僕は何を待ち望んでいるのか。
虚言なら慣れている僕だ。
彼の独占欲の僅少でも埋められたら、僕は何にも構わないんだ。
綺麗事で妥協できるほど綺麗な心なんてしていないのに。
納得尽であるならなんの狡獪も起こさないで納得するほど大人じゃないのに。
一夜切だとわかっていて一夜妻だと割りきって接し節することができる頭は貴方のせいで絶したのに。
然し貴方の嘯く言葉に頷くことで初めて存在意義と存在意識は確立される。
そうしてないと僕は直ぐ死んでしまうだろう。
貴方の中で殺されるだろう。
生きる為に僕は必死な表情を暗闇に隠し、懇願する。
「一緒に死んで下さい」
彼は、
僕に真実の二面性を知らしめた彼は、
「悪いな。あと百年は生きる予定なんだ!」
諧謔だと言うふうに、笑った。
滑稽だと言うふうに、笑い飛ばした。
「ふふ。もう言いません。……大丈夫ですよ」
彼は怪訝そうに眉間を寄せる。不安そうにも見える。
微塵でも彼の心を推し量ることなんてできない僕の恣意な推測。
「なにがだ?」
衝動的に彼に覆い被さるように抱きつくと、僕は彼を真似て耳元へ口を寄せた。
「僕がちゃあんと終わらせてあげますから」
彼が囁いてくれた本物の嘘を嘘の真実に取っ替えて、僕は線の細い肢体を力強く抱き締めた。
「もうなにもいりません」
虚言も虚構も真実も、もう二人の前には無意味なの。
さあこれで虚偽のない三次元。
その手をとって、
いつもいもこが嘘をつくので太子に嘘をついてもらった。芋子氏にはお見通し。そしてそれを皮肉りつつ本気に正しくない偽りのない(→嘘の真実のわかりやす版‥日本語‥難しいね)末路に身を投じるぜー。という妹子氏。
つかわたしのかく妹子は多大な自殺願望を抱いている。
太子のベッドは天蓋つき。日和だから…
一夜切~のあたりとか言葉遊びが過ぎた。正直すまんかった。
まあほっとくと自分がわからなくなりそうだから書いとくと、
本物の嘘→偽物じゃない正しくないもの
嘘の真実→正しくない(ことに)偽りのないもの
まあ…真逆ですわねー…蛇足だけど?
あと虚偽ってかくとうそいつわり、ともきょぎ、とも読める気がした。
いや、うそいつわり、はおくりがないるのかな?え?
ごめん夜中にばーっと書いたらしい。言い訳が長い。
これ太子がかわいそすぎるね。うん。だれか妹子をとめろ・・・。
タイトルも関係なさそうなのにリアル。
タイトル→滲さま
PR