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2025/04/21  [PR]
 

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 日和

閻魔×妹子
皆乙女。
鬼男君中心というか、なんと言うか。
知らん(^q^)




















側近らから見れば、うまく行って居る。
しかし閻魔には苦悩があった。


「…ぅううーーーん」
机に突っ伏して呻いた所で思い人がこの気持ちに気付く訳も無く、秘書が嫌悪の表情を見せるだけだった。
「いい加減にして下さい何に悩んでるんですか大王、言え」
できれば聞きたく無いのだろう。彼はこの手の厄介が嫌いである。
それでも一応は優しく接してくれる秘書に感動し、そんな彼に理由を言いざるをえない。だって刺されるもん。
「…あのね、怒らずに聞いてね」
間を取り頭を整理し、この頼もしい秘書にどう説明しようか考える。
やがて脳内で文章ができると閻魔は口を開いた。

「………妹子ちゃんとエッチしたい」
数秒。閻魔は左側に感じる彼の気配に憤怒の色が混じったのを敏感に察知した。
そしてまたざっくり愛の暴力を受けるのかと思いきや、答えは至極あっさりしたものだった。
「ヤっちまいなさい」
はっきりと、爪も伸ばさず言った。
「お、鬼男君がそんなふうに言ってくれるとは思わなかった…!」
秘書は続けた、
「僕も協力して差し上げますから、仕事はきちんとこなしてください、ねっ!!」
目前に山を成した書類が勢い良く置かれた。


*****


ひとりになるとうたうたと眠気がやって来る。
妹子は寝台に座り半分寝ながらジャージを寝間着に替えていた。
さてそこに飛び込んだのは控え目なノックの音。
寝間着の前を閉め、ゆっくりと扉に向かう。
「どなたです、か」
ことばじりが定かではない。
今なら三秒あれば十分爆睡体制に入れると確信した。
「…夜分に済みません、鬼男です」
ノックの仕方で呆け頭の妹子でも予測できたが案の定。
もったりとした手付きで扉を開けると鬼男が思い詰めた表情で立って居る。
「どう、したんですか」
声を掛けると彼はびくりと震え、妹子から視線を外したままで居た。
「おにおさん?」
足らない舌で喋るとなんとも幼稚な声。
鬼男は何かにせき立てられるように妹子を抱き締めた。
それも優しく包み込まれるような温かさ、妹子の眠気をさそった。
「ぉにおさぅ…?」
彼が唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
「好きだ」
妹子の眠気は根こそぎ吹っ飛んだ。
「すす好きって!鬼男さん!?」
「足りませんでしたか、愛してます、心の底から」
キザな台詞も秘書の彼にはさまになっている。
「僕、はっ…」
赤い視線に貫かれている。続く言葉が出て来ない。
「どういう事?鬼男君」
降って湧いたのは尖り怒った慕人の声。
「まーさか散歩でこんな所見れちゃうなんてねー…ね、何してるのかわかってる?」
つかつかと歩み寄る毎に胃にのしかかる威圧感が増す。
「ええわかって居ます。…主の情人に手を出した、そんな所です」
彼ら特有の何かが発せられて居るのだろう、空気が澱み、静電気を感じる。
「ならどうすべきか分かるよね、鬼男君」
にっこり笑う閻魔と、それを見下す鬼男に囲まれ、背中にじっとりした汗が浮く。
「咎を、受けてね」
「それ迄自分に自信が御有りですか。大王」
彼は笑わない。
目元からゾッとするような気配が染み出ている。
「思いとは移ろう物ですよ」
突き刺す様な声に閻魔はぴたりと歩を止め、妹子を見た。見詰め返す。
「オレの事、嫌い?」
抱いて居る人が咳き込んだ。
妹子は緩くなった腕をほどくと彼の人に向かった。
瞳が濡れている。
それがいじらしく、胸をくすぐる。ああこのひとがいとおしい。
むず痒い唇を開けて声帯を震わせた。
「僕は、っ」
「大丈夫」
その腕に絡められる。
「大丈夫、何だよね?」
肩に埋まった黒い頭を撫でてやると、鼻を啜る音がした。
泣き虫にも程がある。
秘書と対峙して居る時見せていた貫禄は一体何処へ消えたのか。
それでも妹子にはどうしてもこんな閻魔大王が愛しく感じられて仕方が無かった。
やがて顔を上げた彼は頬を濡らしたまま妹子に口付けた。
鬼男はさっき妹子らが抱き合って居る間に居なくなったらしい。
そして深夜出歩く者はまず居ない。
つまりここに居るのは二人だけ。
やがてキスが本格的になって来るとそれに気付いた妹子は抗い始めた。
時、既に遅し。
押し倒たれた格好で、妹子は寝間着の前を開け放たれて素肌を滑る手の感触を感じる頃には諦め、身をゆだねたのでした。


*****



翌日。

裁きの間で列整理中にくつろぐ二人の男。
「どうっした僕の名演技、一回笑って咳込みましたが」
鬼男は珍しく目をにやにやさせている。
「うっかり本気かと思ったんだぞ鬼男君ー」
閻魔は唇を尖らせた。
冗談抜きにしたって昨日の秘書の演技は一流だった。おかげで昨晩自分もちょっと本気で敵意むき出しちゃったのだから。
「そういや、昨晩どうでしたか?」
ふと気付いたように言った。
自分が協力した事柄の結末が知りたいのだろう。良い秘書官だ。
んふふと笑いながら答える。
「ひ・み・つー」
秘書はふう、と息を吐いた。
「小野に聞いてみます、昨日の涙は目薬だったことをどう思うか、とか」
閻魔は肩を跳ねさせた。そして苦々しい視線を秘書にむけ唇を念入りに湿らせて口を開く。
「妹子ちゃん、今朝…立てないって」
鬼男は数秒の沈黙の後、盛大に笑い声を立てた。
「じゃあ見舞って来ますよ!」
そして踵を返すと、軽い足取りで部屋を出て行った。
閻魔と大量の仕事を残して。







閻妹です。ウフフ欲望のままに書きました
閻魔と鬼男が限り無く仲良しです、ラブラブ
閻魔がヘタレって…どうだろう? どうって…おまry
それにしてもこの鬼男、ノリノリである。

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