夜摩鬼男注意!!
今の閻魔が現れるまではこんな心境でも面白いと思って書いた
死とはどういう物か、僕は知らない。
無知は、罪だ。
いつだって、知りたくて仕方がなかったけれど、知る術がないのは悲しい事だ。それさえ罪となろう。僕の知らない感覚を体験し此処へ来る人々を裁いてきたけれど、その終わりある精魂を美しいと感じ、有限の精魂を汚しに汚した者を待つ地獄さえ羨ましいと思うのは不謹慎だろうか。
未知の感覚なんてもう遥かに昔に無くなった。どんな事をしても絶対に生命は活動を続けるのだ。この僕の意思に反して。
そして神から仰せの通り、役目に没頭し。
迅速に敏速に急速に性急に正確に精確に精密に綿密に常道に順当に妥当に周到に完璧に完全に万全に十全に確実に明瞭に異常に明確に鬼畜に過剰に潔癖に不安に奇妙に華麗に踏襲し韜晦し徹底し葛藤し静観し傍観し座視し睥睨し制限し深慮し遮断し遮蔽し呵責し加虐し制裁し分類し決定し審理し裁断し処断し確定し批判し判定し判断し独断し。
人を裁いた。
迷うことも、戸惑うこともなく。だって僕に出来るのはこれだけなのだから。
途方もなく沢山で大多数の人々は生きることで世界を成すけれど、僕は裁くことであらゆる世界が保たれるだろう。
何の理由も理屈も唯ひとつ生きる為に在るのが生物だが、僕は裁くことが唯ひとつ生きゆく意味を成しているのだろう。
裁くことを前提として生命活動をする肉体が、生きることを前提として自由活動をする精魂を裁くのだ。
十分に罰が与えられるべき罪だ。
格差を生み出してはならない者が格差を押しつけ、
平等な存在でない者が平等に振り分け、
罪ありき者が罪を言い渡し、
死なき者が死を導く。
罪だ。全くもって罪だ。大罪も甚だしい。
この身のち全ての永遠をもってしても負いきれない、罰。
どうか罰を下してください。
もっと僕を殺してください。
一片も残さず殺してください。
脳漿ぶちまけて殺してください。
内臓ばらまけて殺してください。
五体ばらして殺してください。
骨の髄迄殺してください。
畜生のように殺してください。
塵芥のように殺してください。
全てにおいて殺してください。
舐めるように殺してください。
撫ぜるように殺してください。
愛でるように殺してください。
まあ、そんなことをしても僕が支配者でなくなるなんて事態は発生しないのですけれど。
「はじめまして」
嗚呼でも其は此迄の話!
病床パブリック
オンリータイムウィルテル
時が経ってみないとわかりません。
夜摩鬼男はアイデンティティをなくしそう。
哲学の時間です。こういうのたのしい。
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