(
2009/12/22)
☆ 主チャ
青い爪が目に映るたび胸を刺す。
痛みは消えない。
背徳感に酔っているんじゃない。そんなもの知らない。
罪悪感を堪えているんじゃない。そんなもの知らない。
シーツに埋もれた青い髪も、瞼が隠した青い眼も、爪ほどは僕を苛まない。
むしろその眼など、僕に慈愛を注ぐものに他ならないはず。
ううん。
僕が爪に苛まれるのは、どうしようもなく、彼がいとおしいから。
青い爪がいとおしいのは僕がその爪を塗ったから。
はみ出さないように塗ったから。
そして勿論僕の爪もニ十本全部彼の色。
僕も彼も彼のもの。
僕も彼も僕のもの。
分かっていながら尚、青がぎらりと光る度背筋が冷たくなるのは、
恐怖と、幸福と、支配欲が満たされる恍惚。
噫!僕がもう彼のものだなんて!
新しい彼の爪
激短。因みにタイトルは某化粧品メーカーのマニキュアの色です。黒です。
青じゃないのかよ!
というツッコミができたあなたは素敵です。
主人公もえー。チャラ男もえー。主チャもえー。
PR