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2025/04/20  [PR]
 

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「でもそういうのって、本当は全然意味ないじゃない」
ソファに押し付けられたときは何があったのかわからなかった。
それでも血管の透ける眼が冷え切っていたからこの子は怒っているのだなと思った。けど口が滑ったのだとしても間違えたつもりはないから口は閉ざしたままにしようとした。
だけど等閑に衣服を剥がれ股をこすりつけられると本当に怖くなって、それから何度もごめんなさいと喚いた。
許して欲しいとはとても言えなかった。
やがて動きを止めた衿口に縋りつくと彼は優しく黒髪を梳き始めたが、ぼくは喉に詰まった気持ちを、最早抑圧することのつらい気持ちを、やめないでほしいと口走ることで吐き出した。
驚いた顔をしたのがいとおしくてぼくは笑った。
緩慢な程にゆっくりと彼はぼくをほどいていった。抱き合ってキスをした。彼とキスをしたことはあったけど今日はなんだか舌が柔らかくてそれだけでもう物を思う気持ちがどこかへいってしまいそうだった。
彼は自分で服を脱いだ。脚が触れると現実が降ってきたけどもう怖くなかった。彼が肌を合わせるとそこが溶けて混ざってもう離れないのではないのかと思われた。
ぼくはどうしようもなく彼の肩に腕を回していただけだったけど、彼は自分を優先しなかった。ぼくの真ん中のあたりで幾度となく手をくねらせていて、でもそれじゃせつなくて腰を震わせると後ろから伸びた指がその周りを引っ掻いたのが切欠で乱れてしまった。声を殺したのがかわいいと言われるといよいよ気恥ずかしかった。本当に彼がいとしかった。
それからもっと深く沈め込まれた。たぶん彼の指が体の深くをほどきつつ口を擦り合わせるとき以上しあわせはなくて、同時にこの人はいつか死ぬんだというナイフのような真実が頭をよぎる。それもあの中指によって瞬く間に消されたけど。
余計なことを考える意識は彼が遠くまで運んで行く。神経は奪わないで。背骨と肋骨の感触をもっとよく知りたい。
細長い指はぼくを掻き乱すばかり。繊細な動きでぼくをおかしくしないで。些細な素振りでぼくを猥らにしないで。一寸贅沢を言わせて。知ってる分かってるもう行き詰まっているだからこうして酔っている。
昴りの最中に彼はただ一度だけ歯を突き立てた。そのまま頸動脈を噛み切って赤くなったぼくの血を見てよと言いたかったけどその時急に意識を引き上げられてもう悲鳴にしかならなかった。
ぼくが彼を傷つけたことに変わりはない。彼はそれでもぼくを許したのだ。
ぼくはただ壊れそうなきみを愛でていたのであって、けして壊してしまいたいとは思っちゃいないって、言わないとわからないのかもしれない。
でも、それならそのままでいい。
ぼくは言い訳しないよ。
きみにつたわらないぼくの気持ちを伝えたところで傷を受けるのは最後きみだから。
人間の体をしていても彼と同じ心地になれはしない。涙さえ滲むけど自分でも何が悲しいのかそれとも嬉しいのかそれすらわからない。
みっともなく息も絶え絶えにぼくは肌の切れ目で溜め息を吐いた。
「でも本当にキミを復讐の念などに奪われたくないの。ボクにとって大切なのはキミの復讐じゃくて、キミだから」
どうしようもない指先だけが未だ熱の真ん中でのた打ち回っていた。


薬指の行方


どうしようもない指先だけが熱の真ん中でのた打ち回る状況を考えてみた(笑)最近気づいたけど真ん中ってえろい言葉ですね(笑)チャラ男がナオヤさん好きすぎてただの処女ですああなんかすごい違和感。そんなんでもいいチャラ男好きすぎて息が苦しいんだっていうあなたは友達。結婚しよう。
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