「そうして彼の人は物狂わしい姿態で私に嘆願するのです。その表情を見る私の心地が、あなたに分かりますか。分かりますまい。あれは最初から私の物であったのだ。あれには私があればよいのです。そして最早誰一人として私からあれを奪う事などできぬのですよ。誰もあれを攫う事などできない!」
その言葉を受け、孫市はなじるような声を上げた。
「政宗を攫うことができなかったのは、アンタの方じゃないのかい。
アンタは攫えてなんかいない。閉じ込めているだけだ。政宗は元からどこへも動いていない。 アンタは柵を作って囲っただけだ。
その証拠に、政宗はアンタを愛ちゃいない」
刹那青い顔をした忍びがその場に現れる。
「幸村様っ大変大変っ!
伊達政宗、逃げちゃいましたよ!」
孫市は、ほらな、と声を掛けたが、真っ青な顔をした幸村の目は、孫市を映すことなく、大きく見開いたまま、ゆっくり、大粒の涙を落とした。
「知っておりました。分かっておりました。けれど認める訳にいかないのです、だって、」
「私は彼がないと生きていけないから」
こぼれる箱庭
もっとでろっとべろっとどろっとできた気がするけどそれでもあえてあくまでも、
短くまとめた。
なんてアクティブなんだ政宗。
孫たんかわいいよ孫たん。
あとなぜかくのも出現した。
箱庭作る話もかいたらおもおしろかったかな。
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