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2025/04/21  [PR]
 

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 日和

閻魔と妹子ー
冥府っぽー。鬼男くんはいないよ。
こういうとき妹子は閻魔の側近だと思ってください。
























抱き締め合う両腕は互いの背中に回っている。
視線は交わされない。

「好きです」

「好きになってください」

「愛しています」

「愛してください」

「欲しいです」

「求めてください」

「恋におちました」

「恋をしましょう」

「口づけさせてください」

「口づけてください」

言葉で心の隙間を全て埋めることができるなら、惜しまず愛の言葉を囁こう。
今交わす言葉が過去の会話を塗り潰してくれるなら、惜しまず愛の言葉を捧げよう。

「大王」

「なあに」

「愛して、います」

「うん」

「心から」

「うん」

「何よりも」

「うん」

「大王」

「ん?」

「大王、は」

「好きだよ」

「、」

「君が、好きだよ」

「何より、も?」

「何よりもー」

「誰より、も?」

「…うふ…どうしたの妹子ちゃん。いつもはオレになにかを聞くことなんかないのに」

「誰よりも僕を愛してくれていますか?」

「…あは」

「…いいです僕だって、判ります」

「……オレさあ、鬼男君とずっと二人で過ごしてたのね」

「はい」

「ごめんね。君が大好きだけれど、鬼男くんを一番愛している」

「………」

「まだ、鬼男くんを愛しているの」

「いいです…構いません」

「いいの?」

「それなら、僕だってそう。でしたし」

「…ごめんね。でも君に愛されているという事実は、とても…快いよ」

それなら気持ちを押さえる必要は、ない。彼を愛する気持ちは、止まらない。
言葉に出さないと伝わらないなら声が嗄れるまで彼への思いを叫ぶだけ。
彼はまだうまく過ぎ去ったことを過去だと思えないだけで、彼は悪くない。
本当は言葉にできない気持ちが胸から溢れそうだけど、きっといつか、彼がそれに気付いたらもっと彼を好きになるだろう。
彼に誘われるなら泥濘に嵌まっても構わないの。





スカーレット





でも僕はそんな光景見たくない。泥沼に足突っ込むなんて真っ平御免だしね。
「いつかは、誰よりも僕を愛してくれますか?」
「うん!」
さあ、未来のことを考えよう。
隘路避けて水溜り飛び越えて、一緒に居ることに何の背徳感もないような未来。美来を。
「大王」
「ん?」
「万物で一番限り無くどうしようもなく愛しています」
「…言葉責め、好きにならないでね…」









難しい言葉を平然といわないでくれ。
タイトルはスピッツの歌から。あとでつけたけど。
読みにくかったからセリフ改行。
誘う→いざなう。
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