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2025/04/20  [PR]
 

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ジンルート後
よーく見るとエロ。
えろくなくないこともない程度。













彼の睫毛が白い瞼に影を形作っているのが、宙に於てもはっきりと見える。
「…ボクに用があるみたいだね。小さな魔王様」
先程から体中にまとわりつくしびれは僕を彼の許まで引き寄せて、彼を目前にした僕は彼のただならぬ気配に悪魔の身でありながら、ほんの少し、震える。
彼は僕の言葉を受け、目を伏せたまま口を開いた。
「まあ、ここへ来て座ってよ」
彼自身分かっているのかいないのか、僕をひるませるには充分な魔力が言葉の端から溢れ出るのだけれど、僕は自分を破壊しうるそれにすら惹かれている。自覚しよう。肯定しよう。最早僕は彼に服従することを望んでいる。
窓辺に降り立ち、羽根をしまい込み人間の姿をとると、自分の魔力を通さずに見る彼の輪郭が恐ろしく狂暴な力にたぎり、また取り繕うばかりに白い肌が幻想的な輝きをもって、僕の正気を脅かすのを感じた。
魅力を醸すほどに計り知れぬ脅威たる、彼の秘めていた力の、悪質さと魔性を知る。
僕は彼に招かれるままベッドに腰掛けて、指を組み、この手の神経がいくら研ぎ澄まされていようと無意味だろうなと思いつつ、白い瞼を見詰めながら、彼の話を聞いた。


王様として君臨してみようかな、と、あの口は言った。
間違えたのだと、自分は王になるべきだったのだと、言う。
僕にしてみれば魅力的な、あの日彼に望んだ選択肢の先。
一度は鎮めた世界を踏みにじるという、ひどい話。

彼の非道な言葉を聞き終えて尚、僕は彼に相対する気持ちなど持ち合わせていなかった。
この人は魔王の一人になる。遅くなどない。彼の纏う気配が彼の言葉を裏付ける。
目を上げると彼が婉然たる笑みを浮かべて僕に近付いて来るものだから、僕はその場に釘付けにされてしまって、余りにも長い間僕の方をちらとも見なかったまなこのいとしさに衝撃と、耐えがたい衝動とを抱く。
「ねえ、ボクをつれていって」
せきたてられるように言った僕を見詰め、彼は予定調和のように口を開く。
「いいよ」
笑みを深くして、僕の頬にその指を当てる。皮が裂けたかと思わせる青い影が僕を暴く。
「おまえの望むままに、どこへでも連れて行ってあげる」
青い虹彩の間遠さに目眩を覚えて腕をのばすと、冷たく白い指が僕の指を絡め取る。
「おまえはオレの物だね」
甘くざらりとした残響が耳を支配したらもう僕は跪くばかり。
彼は優しく僕を撫でた。
彼の指は冷たいのに、他のすべては青く熱を帯びているようで、僕は総身で酔いしれる。
ゆっくりと、しかし確実に、青い力が僕を征服する。なんていう深遠!さもそれが自然であるかのように僕を侵し浸す。従服の快感を押し付ける杭によがる事しかできない。
深く穿たれる度、少しずつ知られていくこの身体。か細い呼吸器は引き裂かれる様。燃え立つ熱は此の身を焦がす様。ふとした刹那、触れる指が僕を慈しんでいるさまで、秘められぬ物欲しさ。彼が欲しい。彼の中身が欲しい。
僕の中に元からあったものは根刮ぎどろりと濁り溶け、さらりと包み込むのは無尽蔵の光。
その中で辛うじて呼吸をする。
既に僕の全ては浸されあとは染み入るのみ。吐き出す息の変貌に気付き、それから突き立てる爪の纏う新たな色相に快感を覚え、怒濤のように渦巻く青い熱の中、律動する彼の鼓動の音を聴いた。




洪水










ジンルートエンド後、ベルの力が使えることに気づいた主人公、暇な日常に飽き果て、今から魔王になろうと決め、手始めにロキを調教してみた。(あらすじ)
人間に奪われるなんてっ…悔しいっ!ていう要素をもっと推す予定でした。皆無。
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