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2025/04/20  [PR]
 

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雰囲気だけなんとなくいやらしいかんじので背後に注意してください。
チャラ男のみならずナオヤまで魔王様に服従姿勢です。











「無理だよ」

「魔王様の言うことに逆らえって言うの?」
挑戦的に言ってのけた男の鎖骨に爪を立てて、長めの髪から滴る汗も気に留めず、直哉は男に笑いかけた。
「あいつが死ねって言えば死ぬんだな、お前は」
皮肉たっぷりの言葉に、組み敷かれた男は上気しながらも生意気に笑い返してみせた。
「魔王様はボクにそんなこと言わないもの」
直哉は、自らの愛おしむ弟たる魔王が、ロキの人間姿から魔力を奪い去って寄越すこと、ロキは呼びつけるが従兄たる自分の許へは魔王御自ら赴くこと、など、意図も意思も判然としない行動を漫然と掻き返し思い巡らせた。魔王は自分の方を重んじているのではないか。では彼の魔王は自分が此の者を殺せといえばどうするのだろうか。尊重するだろうか。彼の者の意図の画策も意思の行く末もわからない。そしてそれは盲信の男にもわからないであろう。
思い上がるな。
思って、愛しい弟を身勝手な風に信じて根拠のない恣意的な期待を口走る此の男の憎さ迸り、されども愛しくて愛しくてたまらぬ自らに気づいてしまう前に、口を開けて、
「狂ってる」
という一言を葛藤の最中より厳重に練り出した。
そんなことを言う必要も、価値も利点も絶無であることを知っているのに、赤い双眸を滲ませて、魔王に耽溺することを、否定した。
「それでもボクは幸せさ」
黒い睫を伏せて恍惚とする男の全てを自らの手に入れられないことを知っていて、直哉はその手首を押さえつけた。
手に入れられなくとも構わぬ、忘れさせたいのだ。


ハッピークリスピー







かりかりぱりぱりしたナオチャラ。

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