わたしは一体どうしたいのだろうか。
この人に近づいたとて望みは彼方。
黒き外套の許より覗く白き腕のあまりの美しさに、わたしは魅せられているだけ。
途方もない。
そう思っていたけれど構わず彼はわたしを心ごと奪ってしまった。
彼は爪先まで魔を満たして、わたしに触れる。
わたしの命は彼の思うがままなのだと知り拍動は加速する。
わたしの肌を食べ尽くすように蠢くその爪に、死を見て、望みはしないけど構わないという気持ちを知ってしまった。
彼の指が好き。
無垢な指で簡単にわたしを汚す彼が好き。
彼に愛してもらえるわたしが好き。
わたしのと同じ色をした彼の指が好き。
どうもさっきから考えが細切れになってしまっている。
背中を撫でる手に心を預けて、ちょっと冷静になろうとした。
「どうかした?」
彼は手を止め口を開いた。
「…オレもしかしてまた引っ掻いた?」
わたしは違うよと言って笑った。
前に彼の爪でわたしの皮膚にちょっと傷がついたことがあった。本当にちょっとした傷だったけど、強い魔力に当てられて、わたしともあろうものが物凄い醜態をさらす羽目になった。
普段褥の恥は掻き捨てと言ってのけるわたしでもちょっと、いや結構恥ずかしかったくらい。
彼はわたしを気遣って爪を切り詰め、一時は素肌に触れるのも控えていた。可愛すぎる。
わたしだったらそんなこと無理だなあと思う。意地悪のネタにしてしまうだろう。
そんなことをしない彼が好きなんだけどね。
彼だからたまにみせるつれない態度にさえ惹かれちゃう。
「ロキ、寒くない?」
見るとわたしの肩が掛け布団から出てしまっていて、よく考えると寒い。
わたしは、延びてきた彼の手を制し、笑ってみせた。
「こうすれば大丈夫!」
ぎゅっと、彼の腕の中に体を押し込み、彼の匂いを感じながら首筋に頬摺りをした。
暖かさで胸がいっぱいになっているみたいだった。
彼はわたしを閉じ込めるみたいに抱き締めた。
彼の香りはわたしを優しく包んで、とにかく幸せな心地にするのだ。
ふと目を開けると、彼の首筋から肩、腕にまで、口付けた痕とは違う、何か印のような痕を幾つも見つけた。
指先で探ると、彼の背中にも僅かな溝を描いている。
思い当たるのはただひとつ、わたしの爪痕だった。
ぞくり。
抑えようのない胸の高鳴りが、洪水のように全身に熱を満たす。
気づいて。
たまには意地悪されたいの。
「爪、立ててもいいよ」
わたしの塗った爪でわたしを傷つけることに少しだけときめいていたことは、秘中の秘だけれど。
もっと新しい彼の爪
チャラ子超かわいい。
あと、いじわるっていう響きかわいい。
ベタベタじゃなくてベチョベチョしている。ラブラブすぎて砂吐きそう。そりゃもーどさっと。
主チャラはやんないかな…主←チャラ…
ていうかチャラ男うけ。
彼は!公式で!母だよ!獣姦だよ!
エナメルの新しい名前を見た瞬間にこのヴィジョンが浮かんだんだ…!
ベッドでいちゃつく主チャラ。
PR