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2025/04/21  [PR]
 

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 日和


わるいゆめをみた。

「………………鬼男くん?」
「ん、起きましたか。それじゃ僕は…」
「行かないで」
背を向ける彼の袖を掴ませたのは、きみなら受け止めてくれるだろうという甘い油断。
「きみがいないと嫌だよ。…オレは、っ」
言葉を途切れさせたのは未だ錯綜する意識故の没落感。
現実がいやらしいほど鮮やかに蘇る。意識が潤色とした朦朧を抜け残酷を帯びた鮮明になるこのときが、黒いこころにあたまが喰われる時間。ああもうなんだか止まんない。
 きみは必ず居なくなる。
寂寞に落とされる。閉塞に閉じられる。
すぐそこにきみがいるのに、いつもみたいに屏息して震える程度じゃ、耐えられない。きみの温かさを知ってしまった。
きみがこんなに近くにいるのに漠然と孤独を感じるの。
なるべく長い間過ごしておきたい。
ちゃんと愛されていたって感触で、全部を染め抜いておかないといけない。
でないときみを愛したオレが終わってしまう。
永劫このままのオレときみでいたいけど、それは叶わないとわかっている。誰も命数には敵わない。
だからせめて、オレは少しでも長くきみを愛したオレでいたい。
別離は一瞬。
きみに永遠があったら、死ぬほどいい。
「…死んで、しまいたいの」
「、大王!」
触覚が跳ね起きる。
「鬼男くん…」
きみが抱き締めてくれるだけでこんなに体が軽くなるのに。
オレのこれからにきみはいなくて、真っ暗闇が大きな口を広げて待っているだけ。
「鬼男くん、すき。すきなの、に…」
彼の背中に回したオレの手の爪が服に食い込むのがわかった。爪切らなきゃ。
彼はオレを一層強く抱き締めた。
「……あなたは何も恐れなくていいんです。僕はここにいます。ほかにはなにも考えなくてもいい。なにも、見ないで」
耳が熱くなる。
「すべてをわかってさしあげます」
ひとことで、暗い未来は拭い去られた。
熱い血液が一気に全身を巡り、視界が眩む。
「……じ、じゃあ、言って、欲しいん、だけど…」
「愛しています」
おまけの笑顔と駄目押しのキスで、目眩がした。









あなたの世界で何を見る。










よろしければAskさんへ!
相互リンクありがとうございました。届けこのおもい。
短くてアレな上内容もアレというかアレというか。内容が、ないよう…。
鬼閻と言われておきながらちっともいちゃつきませんでしたね。ガッカリイリュージョン。すいませんでしたorz
迷いつつ、どうぞします。返品は不可能です^^
それでゅはこれからもどうぞよろしくです!
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