(
2008/10/16)
初雪
かねつぐ×まさむね
冬。
ちらちらと雪が舞い始めた。越後の冬は早い。
「…寒い」
政宗がぶるっと震えて言った。
背中越しに返す。
「ああ…後で火鉢に火を灯そう」
「うむ、越後は仙台よりも冬が早い、な」
兼続は吹いた。
「やはり、同じ事を考えるのか」
「は」
「やはり運命だと思わざるをえないな!」
兼続は振り向くと勢いよく政宗を抱き締めた。
「うひゃあ!っいきなり抱き付くな!馬鹿め」
固まった政宗の肩に顔を埋めた。
「すまぬ」
鼓動が高鳴っているのを感じる。
「私が悪かった。機嫌を直せ、政宗」
そう告げると政宗は唇を尖らせた。
「…とっくに許しておる。意地を張ってみたくなっただけじゃ、馬鹿め」
政宗も兼続の背に腕を回し、微笑んだ。
「温いな」
その言葉に、兼続は何か考える顔。
「…まぐわってみるか?」
「まぐ…っなな何を!!」
政宗は兼続から離れようと身をのけ反らせたが、兼続の手がか細い手首を掴み、そのまま押し倒した。
「や、やめぬか!はなせ!」
無視して兼続は頭を下の方へ下ろしていった。
「聞く耳持たぬ奴め…っ」
しかし掴まれた手首も、唇も肌も暖かったので、政宗は兼続に身を預ける事にしたのでした。
初雪
仲直り。タイトルはてけとう。つかまんま。
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