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2025/04/20  [PR]
 

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白い影の差した途端に顔を跳ね上げる彼は大層かわいらしい。
綻んだ顔を向ける先は知れている。それはそれで真底うとましいけど。
小さな手をいっぱいに伸ばして黒い着物にすがる彼のまんまるい黒目にうつるのは、唯一人他ならぬひと。
ガラス玉染みたあの目が僕などを映す日は、果たして、来るのだろうか。
勿論僕の掌に曲線は刻まれているし、爪だって桃色だから、浮き出た血管だけが元のように青い手首をシャツに通せば化けた身の凡庸を知る。
なのに僕の黒い爪で彼を汚してはならないと僕を何度もとがめる白い影の持ち主は大概いとわしい。物わかりの良い顔をしていたい自分もいとわしい。
僅かな目の疲れを感じ目蓋を落ろせば、掠れることのない破顔が胸を占める。
「、まだ君は僕を知らない」
零れた言葉は掬われることなく喧噪の最中に溶け出した。



無知な手








ロキは封鎖が始まるまで接触を我慢したのかもしれない。ということで妄想。
であいも偶然にしてはできすぎだし
お題→星葬さま
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