4年後。
軋識と人識の再会。
いーちゃんと友がケコーンするよ
軋識と人識の再会。
いーちゃんと友がケコーンするよ
スーツで、オールバックで、前よりずっと格好いい。
けれど、気付いて、後悔した。
「…たいしょ…」
「…久し振りだな、人識」
人識。と、呼んでくれた。けれどきっとこの人は、違う名前をしているだろう。
こんな人は、殺人鬼じゃない。
こんな人、俺は、知らない。
「…人違いでした」
踵を返す。
「っおい!」
手首を強く掴む、手。
懐かしすぎる体温。
「…っやめろよ…」
「どうしたんだよ。生き残りだぜ?話くらいさせろよ」
喋り方も、視線も、手の温度も、なにもかもに心が溶けそうなくらいに熱くなる。
「っ軋識!」
「うお」
思わずその胸の中に飛び込むと、背中に手を回してくれた。
暖かくて、涙が零れる。
「…辛かったのはわかるちゃよ…おっと」
「かは…」
「笑うな」
泣き笑いで彼の顔を見ると、彼も笑う。
「…格好いいじゃん」
「…今はもうキャラ作りする必要ないからな」
「俺、こっちのが好きだな」
「今はこっちで通してるぜ」
「…釘バットは?」
「もうない。…だが構わん、できる限り人は殺さないと決めた」
「格好いいじゃん」
「惚れるなよ」
「…もう手遅れだぜ」
首元に顔を埋めると、昔と変わらない暖かい匂い。
「ずっと前からあんたに惚れてた」
彼が、腕に力を込める。
「…俺もだ」
「かはは」
「きひひ」
頬に唇が触れる。嬉しくなって頬を舐める。
「…くすぐってえよ」
きひひ、という忍び笑い。
それから唇を合わせる。紅潮した顔が熱を持つ。
「…大将さ、京都にいるけどこれからどこ行くつもりだったん?」
「知り合いが結婚するから挨拶にな」
「へえ…俺と一緒だ」
「もしかして戯言遣いか?」
「え?じゃあ大将は…玖渚友って女?」
「ああ」
「あーあれか。チームか」
「知ってんのか」
「おう。その中の五人と話もしたことあるぜ」
「へえ…」
「ところで、今日一緒に行くのは決定だよな?」
「…ああ」
「じゃあ積もる話はあとあと!あいつらに会いに行こうぜ!あ、あいつとも四年振りなんだなー俺ー」
「じゃあ積もる話は帰ったあと、俺の家でするか」
「…おう!」
タイム ウィル テル
大将生きてるといいねー。
そして大方の予想通り。同棲生活が始まりますワアーイ。ウワアーイ。
ところで舞織ちゃんは?
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