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2025/04/21  [PR]
 

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 戯言

軋←曲
いや、なんかすげえ曲軋っぽいんだけど。






















「それで人識あのガキ…」
「………」
「まったく…最近のガキって皆ああなのかって…」
「………」
「トキ?」
「…なんでもない」
それより。と曲識は軋識の頬に手を添える。
「疲れていないか?」
「…ちょっとな」
「休んで行けばいい」
曲識はほっとして頬を緩めると、キスをした。
「…トキ…」
「家族というくくりを気にしたことは、ない」
「…ちゃ…」
仕方なさそうに溜め息をつく軋識に曲識は笑いかけたままにした。
この作戦はそろそろ変更したほうがいいかもしれない。笑った所で物珍しい程度の関心だけれど。
「アス、だきしめてくれ」
「トキ…いい加減に…」
「『だきしめて』」
「く…」
嘘の温もりに包まれる。
嘘でもいい、嘘でも構わない。
同情のような愛情をくれればいい。愛情じゃなくても構わない。どうにか僕のことを考えて、思ってほしい。憎しみでもいい。全然構わないから。

軋識の背中に腕を回すと、曲識は目を閉じる。
この体温が、自分の腕の中にある。
どうにかなりそうなくらい狂おしく、曲識を誘う。
彼は生きているのに。彼はまだ死なないのに。
愛してはくれない。

どうにか、僕を愛して欲しい。




傷つくだけと知っても。










音の正しい使い方。
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