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2025/04/21  [PR]
 

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 無双

なんやかんやさんへ!しばい×まさむね
リクありがとうございました
どうにもこうにも三成がでしゃばる。三成視点















妲己の下に付いて、割と敵と見なしていた伊達政宗とも同じ釜の飯を食うようになった。
元々智能の方には一目置いていたし、気に入らない嘘や非礼も彼自身が自らの知性に自信を持っているからこそだと理解し、まあ自分と似たり寄ったりな厄介者だと認識した。
そしていつぞやの司馬懿を入れての共闘がきっかけで、三人でよく一緒に行動するようになった。
そしてふと気付いた。政宗が何だか最近ぎこちない。
どこがと言われると三成も困る。ほんの些細な違和感なのだ。秀吉をも騙せおおす演技上手の政宗だ。態度に出るようなことはあるまい。
ならば話し掛けて確かめる他ない。疑心を確信に変えるのだ。
但し悟られてはならない。三成にも解らないが、そのぎこちなさの出所は純粋に精神的なような気がしたのだ。
と、いうことで三成は何でもない風を装い政宗に話し掛けた。


「…貴様のような男にも、部下は付いて来るのだな」
「何を言っておる、ばっ…」
一呼吸。
「器の、問題じゃ」
「…ほう、将器か。成程、敵に従うことが出来るのも器なのだろうか…あの阿呆っぽいイカに言わせれば不義なのだろうが」
「ば、かもの…時世を読み、流れに乗るのは重要よ」
「そうか」
「イカっぽい阿呆の言ってることを鵜呑みにするでないわ、」
「…まあ適度にと言うことか、さて実は俺は妲己によばれているのだ」
「は」
「さらば」


足早にその場を去ると三成はそそくさと建物の陰に引っ込み、息を吐いた。
まさかまさか気を付けて聞けばあそこまで露骨だとは思わなかった。
「成程な」
微妙なぎこちなさは過剰とも言える意識によるものだったのだ。
「司馬懿…全く恐ろしい影響力だな」
だが政宗にそうまで影響を及ぼす感情とは一体なんなのだろう。
「あ」
勿論。遠慮でも苦手でも不快でも敬遠でも羨望でも嫌悪でも憎悪でも怨恨でも遺恨でも宿恨でも宿怨でもなく。
「恋、」
その言葉がぴったり嵌る。
「口癖が被っていて厄介な意識してしまうのだろうが、無意識の内の意識だろうな」
第三者に悟られても良いのか。
考えて考えて。可笑しくなった。
そういえば政宗が立っていた場所は司馬懿が出掛け先から帰る時いつも通る道だった。
そっと建物の陰から覗いてみると、丁度司馬懿が帰って来て政宗に何事か告げている所でだった。
そして言い終えたと見えて、司馬懿が黒い羽根の扇子を足元に落としたかと思うと二人は抱き締めあっていた。
背の低い政宗が少し背伸びし、司馬懿が政宗を抱き上げるように抱き締め合う二人の姿はまさに恋人。
「皆に知れてもしらんぞ…馬鹿め」
やや心配性な三成が政宗に言動のぎこちなさを指摘しようと心に決めたのも虚しく、その話が妲己の耳まで届くのは数時間後だった。







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