(
2008/09/01)
月光浴
兼続×政宗
敵どおしになったようです
きっと季節は初夏
敵どおしになったようです
きっと季節は初夏
みなもにうつった月をすくって
「つかまえた」と笑って
こぼれてゆく月とともにあなたもすりぬけた
月光浴
するりと布が体をすべる
政宗は小袖のみを身にまとった姿になると、水に飛び込んだ
月が波紋で掻き消える
だが彼が水面に浮かび上がる頃には元の姿でまた彼に光を投げ掛けた
政宗は目を閉じ、瞼越しに微かな月の光を感じた
上杉と戦いたく等、ない
でなければ今こんな風に夜中に水浴び等せず陣中で策を練って居る筈だ
上杉には忘れもしない愛しい人が居るというのに
何故戦わなければならないのか
交戦が確実になってからは、便りもない
会いたい、会いたいと、
願い過ぎた罰だろうか
それでも尚一層恋しくなる。
この心はどうしてしまったんだろう
だって、今もこんなに、
「だきしめてほしいのに」
「それは私に、か?」ばしゃん、と音がした
今彼の背にある人の温もりは紛れもなく愛しい人の物で、
耳元で囁く声も、愛しい人のそれで
首もとに回る腕と長い指も、何もかも愛しい人の懐かしい匂い
「兼続?」
強く引き寄せる腕に触れると、兼続は政宗を自分に向かい合わせ、両肩を掴んだ
「怪我はないだろうな?
食事はきちんと取っているか?
毎日神仏に祈っているか?
あとこんな時間に水浴び等すると風邪を…」
矢継ぎ早な質問に、政宗は目元に笑みを浮かべて言った
「大好きだ、兼続」
噛み合っていない会話に兼続はぽかんとした
急いで来てくれたのか、髪は結っておらず
いつも頭上で束ねている髪も肩に垂れ毛先を水に濡らしている
政宗は胸をきゅんと突くものを払い、正面から兼続の腕の中へ飛び込んだ
はい!ずっと放置してあったんですがやっと日の目を見ました
今回はお題使ってません
月光浴は、しばじゅんの歌で・・素敵です。
最初の薄字は歌詞の超一部です。
こいつら可愛すぎ。いじらしい。
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